恒川光太郎の小説の中で一番面白いと思うのは前回紹介した『スタープレイヤー』だ。でも、クオリティが一番高いと思ったのはこの『金色機械』って小説。
江戸時代の時代劇なんだけれどもいつの間にかSF?
設定がとにかく秀逸で、謎の金色の機械、金色様を巡って様々な登場人物の思惑が交差する。
親に殺されそうになり山賊に拾われた嘘が見える少年、触れるだけで命を奪う手を持つ少女、など、様々な登場人物の人生が交差する。これがまた、絶妙な感じで善と悪が入り乱れ、善悪とは何か?みたいな深いところまで考えさせられるような傑作。
この小説は様々な登場人物にフォーカスをあてた短編を見事に絡み合わせて一つの物語として作り上げている。短編小説を沢山の書いている恒川光太郎氏らしい最高傑作の一つ。
めちゃくちゃ面白かった!
ただ一つだけ残念な事と言えば、どうしても金色の機械と言われるとC-3POを思い浮かべてしまう。だってそうでしょ?金色の機械だよ・・・