映画『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』

久しぶりに面白い映画を見た。主演のジョン・ファヴローはこの作品の監督でもあり、アイアンマンシリーズの監督でもある。そんな訳でかちょい役にアイアンマンのロバート・ダウニー・Jrやダスティ・ホフマン、スカーレット・ヨハンソンなどの大物が出演している。

内容は一流のシェフがフードワゴンを始めると言うシンプルなものでテンポよく進んで行くコメディだけど無理に笑わせたり、感動を押し付けたりしないので見ていて気持ち良い。

エンターテイメント性のあるかなり面白い映画だった。そして、無性にキューバサンドが食べたくなる。

スタープレイヤー

著者:恒川光太郎

近年読んだ小説の中で一番面白かった小説。この本を機に恒川光太郎さんの小説を片っ端から全部読むことになってしまった。

恒川光太郎さんは何処と無く伊坂幸太郎風の作品で、主に短編小説が多い。その中にある長編小説はどれも外しがなく、超おすすめ。

スタープレイヤーはある日、スタープレイヤーに当選しましたとか言われて異世界に転生してしまう、スタープレイヤーとは好きな願い事を10個なんでも叶得られる選ばれし者でその世界には数人しかいないというお話。

最近、異世界転生モノのライトノベルなんかが流行っているけれども恒川光太郎さんが異世界転生モノを書くとこうなるんだ!ってワクワクしてしまう。

設定がすごく好きで、もし、自分だったらどんな願いを叶えるのかな?なんて考えながら読んでめちゃくちゃワクワクしてしまった。だってドラゴンボール10回分だからね、いや、実のところ、ドラゴンボールよりも制約が少なくて沢山の条件を一気にお願いすれば一回の願いで出来てしまう。

実はこれ、続編の『ヘブンメイカー スタープレイヤー』と言うのがあって、これがまた面白い。俺はこの本で一気に恒川光太郎さんの大ファンになってしまった。

後、金色機械って長編もおすすめ。むしろ、小説としてのクオリティは金色機械の方が高いかもしれない。ただ、やっぱりワクワクして楽しいのはスタープレイヤーだ。

ジョーカー(原題:Joker)

かなり話題になっているから、まだ映画館でやっているうちに見ておこうと思って観てきた。俺、映画館って高いから、よっぽど観たいと思わない限りは行かないんだよね、だって1900円もするんだもん・・・

キモい低所得のおっさんの話

この映画、ほとんどタクシードライバーなんだよね。ロバート・デ・ニーロを起用していたりして、かなり確信犯的にタクシードライバーを意識していると思う。俺はタクシードライバーもあんまり好きじゃないんだけれども、このジョーカーって映画はマジで無理だった。

リアルにありそうな話過ぎて無理

これ、映画の話なんだけど日本でも実際に秋葉原の事件とか最近では京アニの事件なんかがまさにこれだよね。社会的に虐げられた低所得者で人生に希望が持てないようなおっさんが、どうせこの先もろくな事がないってヤケになって社会に八つ当たりするって言う、まさに最低のクソ野郎の話。

日本だと銃が手に入りづらいからまだいいけど、アメリカみたいに簡単に銃が手に入っちゃうともうカオスだよね。

こういった事がリアルに想像できちゃうからちょっとこの映画はキツかったな。

社会のせいにし過ぎていてキモい

2時間の映画の内、1時間半はみっちりと人生がどうにもならないキモいおっさんの映像を見せられ続ける。これだけでも鬱映画なのに、リアルにこういう奴の予備軍がいそうだと思えるのが怖い・・・

まぁ確かに悲惨な人生なのだけど、お前の人生が悲惨なのはお前のせいだからね。社会のせいにしているから悲惨なんだよって思ってしまう。これ、わからない人にはいくら言ってもわからないんだと思うけど何かのせいにした時点でもう、どうする事も出来ない問題になってしまう。そうやってドツボにはまってしまう。

そんな映像を流石に1時間半も見せられ続けているので最後の30分位は凄かった。ジョーカーになってからクソみたいだったおっさんが輝き出す。ただ、まぁやっていることと言えばただの八つ当たりなんだけど。

こんな感想をもつ俺は、リアルがわりと幸せなんだと思う。まさにこの映画に出てくるジョーカーの敵、社会的弱者を無視する人々の一員なのかもしれない。

そんな訳で一ミリもこの映画に共感できず、大半がキモいおっさんの鬱シーンだったので映画としても全然楽しめなかった。最後の30分くらいのカタルシスや映画の完成度は高いと思うけど。

でも俺はやっぱりジョーカーはフェイクの方がいいかな、現実味があり過ぎるとリアルなただのクソ野郎になってしまう。

その女アレックス

著者: ピエール・ルメートル

おまえが死ぬのを見たい―男はそう言ってアレックスを監禁した。

これ、物語が3章立てになっていて展開がマジで読めないんだよね、何?どうなっているの?ってどんどんひっくり返されちゃって。普段、ミステリーとか読んでいる人にはぜひ読んでもらいたい。

正直、ストーリー構成とかかなりよくできていると思う。登場人物もややマンガ的にコミカルにデフォルメされた感はあるけれどもしっかり一人一人のキャラが立っていてちょいとハードボイルド風の刑事ドラマな展開が楽しめる。

ただ、この物語の良いところでもあるんだけれどもストーリーが二転、三転してどこに向かって進んでいるのかがさっぱりわからず中盤はあまりストーリーに入り込めなかった。決してこの小説が悪いわけじゃ無いのだけれども、個人的には中弛みしてしまったのが残念。

チャッピー

映画『第9地区』の監督ニール・ブロムカンプの描く南アフリカのカオスなスラムが印象的、正直、北斗の拳の世界。アメリカとかの話じゃなくて南アのヨハネスブルグの話だとよくわからんけどすげーリアルに感じて怖い。

登場人物がまた、近未来の北斗の拳しちゃってて、それがさもありそうなリアルな雰囲気で映像化されちゃっているから怖い。『第9地区』の時も思ったのだけれども、この監督は実際にありそうな雰囲気を出すのがうまいのでこれを見ると南アフリカに行きたくなくなるかもしれない。

すげー面白かったのでおすすめ!

アイリッシュマン

『グッドフェローズ』、『カジノ』の名監督マーティン・スコセッシとロバート・デ・ニーロ、ジョー・ペシにアル・パチーノを加えてしまったんだから面白く無いわけがない!

この映画はギャング映画の総括的な映画で、ゴッドファーザーから始まるギャング映画の黄金時代を作り上げてきたデニーロ x パチーノが老境を迎え、ギャングとは?人生とは?みたいな深いところまで総括する映画だと思う。

監督:マーティン・スコセッシ
出演者:ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシ、アンナ・パキン、ボビー・カナヴェイル、ハーヴェイ・カイテル、レイ・ロマーノ、ジェシー・プレモンス

内容はやや難しく、登場人物が多いので予備知識がないと一回では理解しづらいが大枠の内容は理解できる。正直、往年のスターが登場しているのでギャング映画好きにはたまらない映画なことは間違いないが、今の若い人たちが見て楽しめるのかどうかは疑問。

だいたい、監督も登場人物も80才近くのおじいちゃんばっかりなので老人による老人のための映画と言っても過言ではない。だが、それでも面白い!

ギャング映画の名作『スカーフェイス』や『グッドフェローズ』などはテンポが早くガンガン攻めるギャング映画なので、若い頃に見て大いに刺激を受ける、これらの作品と比べてしまうとどうしてもスローテンポで物足りない、が、かと言って中弛みする訳でもない。その代わりに『ゴッドファーザー』のような重厚感がある。3時間半もある超大作だが、一気に見てしまった。

正直、期待通りの名作だった。
そして、何よりも見終わった後の余韻がいい。
この映画を見てから数日経つが、見終わった時よりもどんどん好きになってくる。こう言う映画は名作だと思う。

俺は、近いうちにもう一回見る。

カメラを止めるな

最初、何でこんなグダグダの映画が高評価何だ?と途中で見るのをやめようかと思った。だが、しかし!そのグダグダさ加減が後半に生きてくる。ほんと、この映画は作りが上手い。何でこんなに高評価なのかがよくわかった。

はっきり言って、この映画はかなり面白い!

特に主演で監督役の濱津 隆之さんの演技が凄い。冒頭のシーン、はじめ見たときは、ほんとどうしょうもないインディーズのクソ映画だなと思ったんだけれども、後からかなりの名シーンだと言うことがわかる。ほんと、見終わった後、冒頭だけでもうも一回見たいなと思わせる。

あのクソみたいなシーンを後から名シーンに変えてしまうマジック!まさに天才的。全く期待していなかっただけに、いい意味で期待を裏切られた。

今はAmazonプライムでもNetflixでも見られるからぜひ見てみてほしい映画。

ベイビードライバー

何んでこの映画が高評価なのか全然理解出来なかった。主人公に全然、魅力を感じられなかったし、スタイリッシュに見せている映像は鼻につくし、ストーリーはグダグダ。登場人物の行動はご都合主義すぎてとてもじゃないが感情移入出来そうもない。タランティーノあたりに撮らせればクライムムービーとしてそこそこ面白かったんじゃないかな。

ただ、ケビン・スペイシーは良かった。彼は今、色々と問題を起こして干されちゃっているのでもしかしたらケビン・スペイシーの演技を見られるのはこれで最後になるかもしれない。

ヴァレリアン 千の惑星の救世主

俺の大好きなSF映画『フィフス・エレメント』や『LUCY』を手がけたリュック・ベッソン監督のSF映画だから面白くないわけがない。

AmazonプライムとNetfllix両方で見られるようになったから早速見てみた。勿論、期待通りにめちゃくちゃ面白かったけれども『フィフス・エレメント』や『LUCY』を超えはしなかった。

とにかくCGはめちゃくちゃ凄いんだけれども、映画ってCGの凄さじゃないからね。フィフス・エレメントなんて今見ても最高に楽しいし、全然しょぼさを感じない。そりゃ勿論、今のCGの方が凄いんだけれど。

まぁそうは言ってもヴァレリアンのCGは、未来を見せてくれた。やっぱSFってこうでなくちゃね。特にヘルメット被って別次元の世界が見える設定のシーンなんてあと何年かすればVRが発展してあのレベルに近いところまで達することが出来るんじゃないかな?

あと、20年、30年したら宇宙にも普通に行けるようになっているかもしれないし。そう言うことを考えたらやっぱりSFって楽しいよね。

『Ank: a mirroring ape』佐藤 究

前半は最高傑作で、後半はグダグダのB級ホラー

つい最近、溝口優司著の『アフリカで誕生した人類が日本人になるまで』を読んだばかりだったので人類の進化過程には大いに興味があり、人とチンパンジーは何が違うのか?みたいな物語の始まりには大いに興奮した。

これはフィクションなので科学的じゃなくとも良いのだけれども、科学的にさもありえそうだと思わせる手法が素晴らしかった。人類の進化過程や我々、ホモ・サピエンス以外の人類たちはどうして絶滅してしまったのだろうか?と言う壮大なスケールの謎が解明される!そう思わせてくれた。

この小説は間違いなく傑作だ!と思いながら前半を読み進めた。

ここからネタバレ

ここからネタバレしているのでまだ読んでいない人は気をつけてほしい。この本は、前半から中盤にかけて最高傑作レベルで面白かった。しかし、中盤以降、急にクソつまんなくなる。

散々期待させて謎が酷い。

大体、水面に映った自分を攻撃して溺れ死んだボスザルをみて群がパニックに陥ってお互いに殺しあうとかありえないでしょ。チンパンジーとか類人猿をバカにしすぎ・・・どう考えても、そんなにバカな動物はいない。

この辺でもうミラーリングエイプってそう言うこと?みたいなショックを受ける。更に言わせてもらえばもっともらしくDNAの配列が〜とか言ってたのに蓋を開けてみれば訓練でDNAの配列が変わるとか叫び声を聞いてDNAの配列が変わるとか変わらないとか???

もう、何言ってるのかよくわからない。そんなことでどう考えてもDNAの配列が変わるわけがない。もうめちゃくちゃ。

途中から出てくるパルクールの話も全部、要らないんじゃないかと思われる。そもそもパルクール出来たからと言って猿みたいに木の上を走ったり出来るわけがないし、街中とはいえ、チンパンジーと競争なんて出来るわけがない。マジでチンパンジーを舐めすぎ。

あと、素手でチンパンジーを捕まえるとか取り押さえるとかマジで無理だから。大人のチンパンジーの握力は300kgくらいある。どう考えても人間が取り押さえられるような相手ではない。チンパンジーは素手で車のフロントガラスを打ち破り、中から人間を引きずり出して殺すくらいヤバい奴らなのだ。

物語の核となるチンパンジーの叫びでみんなが殺しあうって言う設定も無理がありすぎ、もうちょっとそれっぽい理由を書いてくれれば物語に入り込めたんだけど、水面に映った自分と殺しあうって言う太古の記憶が呼び戻されるとか言う意味のわからない設定だと『はぁ?』ってなってしまう。

後半はよく、最後まで読めたな?って思うくらいに酷い出来だった。とは言え、前半が最高に面白かったからこそ、ここまで後半に文句が言いたくなると言うもので、この作者は間違いなく才能に溢れている。だって、前半、あれだけ面白そうに書けるのだもの。